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谷内六郎 天野祐吉作業室 2011年
谷内六郎のことを何と言ったらいいか、わからない。とても近くて、心をわしづかみにされるみたいで、他人ごととは思えないからだ。 悲しくて、やりきれない貧しさと、きらきら光る想像力。それは荒唐無稽なようでいて、実は思いかけずきっぱりとしたリアルさを持っている。 いつもすぐに向こう側の世界に行っちゃう。子どものころは私もそうだった。知らない人や、なんだかわけのわからない怖いものがあふれていた。六郎の描いた絵だけでなく、文章をちゃんと読んだのはこれが初めてかもしれない。その文章にとても引き付けられる。天野祐吉による本の作りも素敵だ。 下記はp.40からの引用。 「電気の+と―が解んないのか、お前は失敗したなあ」虫郎の頭の上の方で不気味な低い声がしました。虫郎はハッとして起き上がって見ると、そこには背はとても低いけどがっしりした大人らしい人間らしいものが立っています。蜘蛛のようにも見える黒いつるつるした服を全身にまとっていて黒い丸い頭巾をかむっています。月明かりの中で何だかぬるぬるの海坊主のような小人です。 熊井明子 2012年 河出文庫
もうずっと前に出た、熊井さんのエッセイが文庫になっていたので買ってしまった。図書館で見たこともあったのだが、ちょこんとした体裁が気に入って、このサイズはやっぱりいいなぁと思った。内容と似合っている。 表紙のグレイッシュなベージュの地に描かれた絵もすてき。私は時々自分でもびっくりするくらい、ある種のものに対して心を許してしまう。悪いことではないのだが、本当に無防備で我ながらびっくりするのだ。ある種の本、友達のような書き手に対して。 内容はとても具体的で実践的なのに、書き方にあざやかな夢があふれているところが熊井さんの魅力だと思う。たとえば「ごへい餅にはくるみ味噌」「白い服と少女」「オレンジとシナモンと紅茶」。どれもタイトルだけ見てもわくわくする。 悲しい、はっとする内容のものもあるけど、ぜんたいに明るくて気持ちの好い風が吹いているみたいだと思う。 トムズボックス 2010年
ささめやゆき、という人のイラストに最初にふれたのは、確か小学生~中学生のころ。『不思議な黒い石』という外国の小説の装丁に使われていたのを見たのだと思う。 目がはなせなくて、強烈な個性を感じた。どんよりとした空気をもっているその感じが好きだと思った。 タッチは軽くて、でもどんよりとした感じがする。それが墨のような感じからきているのか、それともフリーハンドの線からでてくるのか、その両方なのか。流れとしてはいわゆる、「ヘタうま」ということの比較的後の方の世代に属するのかもしれない。洒脱で、すっごく垢抜けしていて、音楽や楽器のモチーフが多い、たとえば河村要助とも共通しているように感じる、素敵なイラストレーションです(要助さんは1944年生まれ、ささめやさんは1943年生まれ)。 自分のは単なるお絵かきだけど、こんなカット集にまとめられたらいいなぁと思った。方向性としてそのための参考にしたい。 多木浩二監修 新書館 2010年
多木浩二さんの本、と思って手に取ったら別にそういうわけではないのだった。でも、内容が分厚くて大変面白い。著名な建築家について、自分でコツコツとまとめるにはもってこいの本。 建築家と呼ばれる人びとが、たくさんいる職場に勤務して5年目。建築家とはなんなのか、どういう歴史の流れの中に位置づけられる人たちなのか。ずっと気になっている。 私は素人だし全然よくわからないけど、でも少しでも分かりたいなぁと思う。楽ちんな思い込みや、押しつけの先入観ではなくて。 教養が他人を傷つけたり、追い詰めるものであってはならない。それは結局は、自分のこともずたずたにしてしまうだろうから…そういう人を見ているのはつらい。そんなものは、教養でもなんでもなく、意地悪や愚痴を共有したいためにねつ造された、たんなるデータのようなものだ。 もっと地道に、一つ一つ積み重ねていけたらと思う。この本を手元において。
近藤禎子 毎日新聞社 2004年
ブックオフで見つけて購入した一冊。とても素敵な本です。 ベビーサインを初めて知ったのはマンガだったと思う。その時は、本当にそんなことができるとは思っていなかったし、まして自分が赤ちゃんを授かる日が来るなんて思えなかった。何があるかは、わからない。 赤ちゃんは単純だけどいろんな要求があるみたい。それを読み取ることができるかもしれない!面白いです。 絵もすごくかわいいし、ほかの本と違ってコンパクトに、厳選された単純なサインしか載ってないから、とてもわかりやすい。 グーとパーだけで…っていうのもいい。それに、言葉と一緒に覚えるので、言葉とサインが一緒になるというのもいい。できる範囲で楽しみながらやってみたい。
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